麹
2016.04.29 Friday 17:13
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今日はアッサンブラージュの先駆者コーネルさんの本が届きました。コーネルさんの少し不思議な作品の背景には、病気の弟さんを喜ばせてあげたいという気持ちがあったんですね。ひとつひとつの作品に秘められた意味は分からないままにして眺めています。
答えはまた次の四つ角を曲がったあたりで見つかるといいな。
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天体は石鹸の泡である。
それらは最高天に浮かび、揺り籠のように夢見る者をあやしている。
はかない泡は、空の凍てつく寒さと沈黙へ向かって上昇していく。
それは世界の魂が上昇しているのだ。
宇宙の誕生とは石鹸の泡のことである。
バレエダンサーの跳躍も石鹸の泡である。
「心臓が飛びあがる」と我々は口にする。
それは、我々がそれを前にして畏怖の念に立ちつくす、
ニーチェのいう「永い明るい沈黙」だ。
はるか彼方のものが、近くのものと束の間触れ合う。
世界は美しいが、世界を言葉にできない。だから芸術が要るのだ。
都市の混沌は神聖である。すべての事物はたがいにつながっている。
上でも下でも同じこと。我々は言葉にしえない一個の全体のかけらである。
意味はつねにそれ自身を探している。
予期せぬ天啓が、次の四つ角を曲がったあたりでわたしたちを待つ。
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チャールズ・シミック著「コーネルの箱」より
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